学校での理不尽な校則「ブラック校則」について調査していた「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」は3月8日、調査結果を発表した。

 調査は、中高生時代の校則の状況を尋ねる方式でおこなわれた。15歳以上50代まで約2000人が回答した。

「ブラック校則」の状況、時代別の変化



 中学校と高校では、中学校の方が厳しい傾向があった。また、校則が厳しい学校ほど、教員の理不尽な指導が横行する、いじめを体験した割合が高くなる、などの傾向もみられた。

 具体的な校則の内容としては「下着の色の指定」「スカートの丈の指定」「マフラーやタイツなど独自での防寒対策の禁止」「恋愛禁止」などが報告された。

 体育や部活動での「水飲み禁止」の校則については、年齢が高くなるほど「あった」と答えた率が多いが、10代・20代では減少している。現在の50代が中高生だった1980年代前後と比較して、熱中症などの危険性が周知されたことが要因とみられるという。

 一方で、「眉毛をそってはいけない」「下着の色が決められている」「スカートの長さが決められている」「帰宅途中に買い物をしてはいけない」といった校則については、「ある(あった)」と回答した率は40代・50代ではやや多く、30代でいったん減少したのち、20代から10代になると40代・50代を上回る勢いで増えている。
 10代の方が他の年代と比較して圧倒的に「ある」と回答した率が高く、近年になった厳しくなった状況がうかがえるという。

 これらの校則は昔の管理教育の象徴的なイメージで、管理教育全盛期といわれた頃よりも増えているということは、意外な結果になっている。

 プロジェクトでは、校則が近年になるほど厳しくなっている傾向について「教員の多忙化によって、一括管理が進んでいることが考えられる」と分析している。

髪の毛の「黒染め」強要も横行



 この調査は、大阪府立懐風館高校の生徒が、生まれつき茶色い髪の毛を黒く染めることを教師から繰り返し強要されたことで体調を崩すなどし、授業出席や学校行事参加を禁じられ、不登校状態に追い込まれたとして、大阪府を相手取り訴えている「黒染め訴訟」の報道を背景に実施された。

 この調査では、髪の毛の色の問題についても調査した。

 生まれつきの髪色が黒ではないと回答した人は全体の12%、うち9%が中学校時代・18%が高校時代に、髪の毛を黒く染めるよう求められたとしている。

深刻な状況、早期の改善を



 これらの調査結果を見ると、学校をめぐる状況は依然として深刻で、生徒への管理的な対応、人権侵害が横行しているのではないかともうかがわれる。

 また、校則の厳しさと、教員の理不尽な指導やいじめに遭遇する率との関係についても注目していく必要がある。校則で生徒を管理することで、理不尽な振る舞いをする一部の教師を生み出したり、いじめの誘因となることもうかがわれるということになる。

 このような状況を、そのまま放置するわけにはいかない。何らかの形で早期改善を図ることが必要ではないか。

(参考)
◎驚きの“ブラック校則”、マフラー禁止 下着の色まで指定(TBS 2018/3/8)
◎校則 昔より今が厳しく 眉毛、下着の色…細かく規制(毎日新聞 2018/3/8)
◎高校時代に「黒髪強要」18% ブラック校則でNPOがアンケート(産経新聞 2018/3/8)
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