「大阪日日新聞」(ウェブ版)2018年3月22日付によると、大阪府立高校で2018年度、新たに「3年連続定員割れ」の学校が2校生じたと報じている。

 大阪府では、維新府政によって「大阪府学校設置条例」(いわゆる「教育基本条例」の一つ)が制定され、「3年連続定員割れの高校は統廃合を検討する」方針が明記された。

 今回「3年連続定員割れ」の基準に達したのは、勝山高校(大阪市生野区)と藤井寺工科高校(藤井寺市)。

 勝山高校では一般入試でも、240人の募集に対して出願者は128人、倍率は0.53倍と、大幅に定員割れした。二次募集では114人を募集したが、出願者は38人にとどまり、大幅な定員割れの状況となっている。

 また藤井寺工科高校でも一般入試で定員割れし、二次募集(募集人員14人)でも定員割れした。

大阪府の公立高校入試の背景



 大阪府では2009年度、不況を背景とした公立高校志向の強まりや、当時の大阪府知事・橋下徹が私学助成金を減らした影響で私立高校の学費値上げが相次いだことなどが重なり、公立高校に志願者が殺到し、二次募集・定時制募集を経ても受け入れ先がない受験生が大量に生まれた。その経緯から、公立高校の受験定員には余裕を持たせるようになっている。

 一方で、橋下徹などが結成した大阪維新の会によって、教職員の締め付けや教育環境悪化などにつながる「教育基本条例」が検討され、複数の条例に分ける形で施行されている。

 その中に府立高校についても言及され「3年連続定員割れの高校は統廃合を検討」とする条文が入れられた。

 さらに、大阪府教委は大阪市教委と共同で、2014年度以降、府立・大阪市立あわせて7校程度の公立高校を減らす方針も掲げている。

 これらにより、すでに8高校が統廃合の対象となり、すでに閉校・統廃合や募集停止となっている学校もある。

統廃合の行方は?



 大阪日日新聞の記事によると、「再編整備の対象になるかどうか自体、これから検討していく。まずは改善の見込みをみていく」という府教委担当者の談話を紹介している。

 大阪府などの再編整備計画で示した「7校程度」の高校統廃合目標はすでにめどが付いた状態になっているが、条例などの関係で依然として予断を許さないのではないか。

 今後の動向に注目していく必要がある。

※続報です(2018.8.30)





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