ベネッセコーポレーションが販売する教材テストが、他の教材販売会社2社が作成した教材テストとそれぞれ酷似しているとして、他社から指摘を受けていたことが報じられている。

 ベネッセでは「著作権侵害はない」という見解をとっているが、学校や利用者へ無用な心配をかけることを避けるとして、当該箇所の差し替えや回収などをおこなったという。

酷似の指摘



 ベネッセが2018年に販売した、小学校3年向けの算数の教材テスト。このテストについて、2015年に教育同人社が販売した、小学校3年向けの算数の教材テストと酷似しているという指摘がされた。

 時計の読み方、図形の面積などの問題の配列やレイアウトが酷似していた。

 2ページ分について、比較のための画像もネット上でアップされている。モザイクを薄くかけて具体的な問題の内容は読みにくくしているものの、問題の配列順序やレイアウトなど、まるまる2ページ分参考にして、数字を入れ替えたり図形を少し書き換えるなどして作成したと思われるような内容になっている。

https://www.djn.co.jp/company/news/180329.html

 算数の問題のパターン自体は、一つ一つの問題について類題が偶然出ること自体はありうる。しかし、計8つの問題について、テストの主題と問題の配列順序がすべて一致した上、紙面のレイアウトまでそっくりということになる。

 またベネッセでは、別のテストが、光文書院が2014年度に発行したテストと酷似しているという別の指摘もされ、回収措置をとったという。

 テストの個別の問題一つ一つには著作権はないのだろうが、全体の主題や問題の並べ方などが編集著作権を侵害する疑いもあるという指摘がされている。

 グレーゾーンではあるが、だからといって何をしてもいいというわけではない。

(参考)
◎ベネッセのテスト「酷似」指摘 2社が抗議、自主回収(朝日新聞 2018/4/18)
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