熊本県北部の熊本県立高校3年の女子生徒が2018年5月に自殺していたことがわかった。いじめ被害を訴える遺書を残していたという。

事件の経過



 報道によると、生徒は2018年5月17日に自宅で自殺を図った。当日は体調不良として学校を早退し、帰宅後に自殺を図った。家族が発見して病院に救急搬送されたが、翌5月18日に死亡した。

 生徒は遺書を残していた。「よう学校に来られるね」「死ねばいい」などと同級生に言われたことなど、いじめをうかがわせるような記述をおこなった上で、「とても苦しかった」「もう死にたい」などと書かれていたという。生徒はいじめについて、学校側に相談していたことにも触れていたという。

 遺族によると、生徒は「インスタグラム」で、フォロワー数の多さを妬まれるなどしていたことや、「LINE」での人間関係などについても悩んでいたという。

 当該校では5月25日に全校集会で、生徒の自殺について説明をおこなった。また5月27日には保護者説明会をおこなった。

熊本県教育委員会の会見



 熊本県教育委員会は5月28日に記者会見をおこなった。

 県教委は会見の中で、生徒が自殺したことや、遺書の存在を認めた。また遺族から、生徒の自殺について「いじめが原因ではないか」と話を聞いたとした。

 一方で、生徒が2年時の2017年11月におこなった学校側の調査や、熊本県教委が2018年度より運用しているいじめ通報アプリなどでは、この生徒についてのいじめの訴えは把握できなかったともした。

 県教委では今後、第三者委員会を設置して調査をおこなう意向を示している。

慎重な調査を



 この事案については、現時点では第一報的なものであり、報道の範囲でしかわからないことも多い。しかしそれでも、いじめがあった可能性が指摘されているということにもなる。

 SNSを通じたいじめの有無や、自殺との因果関係など、ていねいに調査していくことが必要になってくる。

(参考)
◎熊本 高3女子生徒が遺書残し自殺 いじめか 県教委が調査(NHKニュース 2018/5/26)
◎熊本で高3女子が自殺 いじめ原因か 28日県教委会見(朝日新聞 2018/5/28)
◎熊本・高3自殺 女子生徒、SNSで悩みか(毎日新聞 2018/5/28)
◎第三者委設置視野に高校生自殺で(熊本県)(NNNニュース 2018/5/28)
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集