岐阜県立益田清風高校(岐阜県下呂市)の女子ハンドボール部で2014年、同校非常勤講師だった男性コーチが部員に日常的に「体罰」を繰り返していたことが2018年3月に発覚した問題で、岐阜県教育委員会は6月7日付で、関係教職員11人の処分を発表した。

 当時の校長が戒告処分などとなっている。また県教委の当時の担当者も戒告処分の対象となった。当該元コーチはすでに退職しているため、処分の対象にはならなかった。

事件の経過



 元コーチは2005年の学校統廃合前の前身校も含め、2012年の定年退職まで長年同校のハンドボール部監督として指導に携わっていた。定年退職後は非常勤講師として、ハンドボール部のコーチとして引き続き指導していた。

 2014年5月に、当時3年の女子部員を蹴るなどして、うち1人にケガをさせた。また数日後には、別の女子部員の髪を引っぱるなどした。暴力をともなう指導は日常的におこなわれていたという。

 2014年5月の「体罰」・暴行事件発覚後、コーチは依願退職した。しかし学校外で引き続き同校ハンドボール部の指導に携わっていたという。

 学校や岐阜県教委は当時、事件の存在を公表していなかった。しかし4年後に新聞報道されて発覚した。

 県教委は、学校の管理監督の不十分さに加えて、情報提供を受けた県教委が調査を実施しなかったことなど、当時の対応に問題があったとしているという。

 俗に「体罰」事件ともいわれる、教師や指導者による「指導」を装った暴力・虐待事件については、悪質な人権侵害問題であり、適切な対応が必要になってくる。事実関係を把握していながら隠蔽したり放置することは許されない。
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集