愛知県豊田市立梅坪小学校1年の男子児童が7月17日、校内で倒れて救急搬送され、熱中症で死亡した。

事故概要



 事故当日は午前10時頃から、約1km離れた公園で校外学習をおこなった。学校から教員の引率で徒歩移動し、遊具で遊ぶ・花を摘む・虫を捕るなどの活動をおこなっていた。

 その後11時30分頃に学校に戻ってきた。児童は教室にいたが、教室にはエアコンはなく、天井設置型の扇風機のみだった。

 11時50分頃、児童の様子がおかしいことに気付いた学校側が119番通報した。消防の到着時点で児童は心肺停止状態で、病院に搬送されたが死亡した。児童は熱中症を発症したとみられている。

 校長の記者会見によると、死亡した児童は校外学習への行き道では他の児童の列から遅れるなどの状況がみられ、「疲れた」と訴え、担任教諭が手を引くなどしていたという。

 豊田市では午前8時の時点で29.6度、午前9時の時点で30.4度を観測していた。11時には33.4度となり、12時には34.8度まで上昇した。最高気温は37.3度(14時4分)を記録している。この日だけではなく前日まで数日間、気温が異常に高い状況が全国的に続いていた。

 また学校側が実施した13時45分頃の計測では、教室の室温および運動場の温度はともには37度だったという。

 教育委員会としては、高温注意情報が出たときの学校側の対応については、特に決めていなかったとしている。

 学校側の当日の対応については、今後より細かく検証した上で、今後の教育活動に活かしていく必要があるのではないかと考えられる。

抜本的な対策を



 熱中症の危険性の問題はかねてから指摘されていたが、死亡事故に至る状況になってしまったことになる。

 学校へのエアコン設置については、各地域で徐々に導入が検討されているとはいえども、まだ未設置の地域・学校も多い。設置を急ぐことは必須ではないか。

 また近年は異常気象となり、夏には過去に例を見ないような異常な高温状態が見られるようにもなっている。学校においては、臨時休校や授業打ち切りなどの選択肢も含め、高温対策を今まで以上にもっと踏み込んでおこなっていくことも必要になってくるといえるのではないか。
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