埼玉県桶川市立桶川西中学校の男子生徒が、担任教諭から休み時間中の離席や友人との私語を禁止され、ストレスで過敏性腸症候群などになり精神的苦痛を受けた、教諭の行為は「体罰」にあたるとして、市を相手取り提訴していたことがわかった。

事件概要



 報道によると、事件は2016年4月26日に起きた。当時1年生だった男子生徒は、休み時間中にトイレに入った際、別の男子生徒から個室に連れ込まれるなどした。

 この生徒と別の生徒が2人で個室から出てきたことを目撃した担任の男性教諭(30代)は、この生徒がトイレの個室をのぞこうとしたと決めつけた上で、生徒に対して休み時間中に自席から離れることを禁じる指示を出した。

 生徒は約2ヶ月後の2016年6月より不登校状態になり、3年生になった2018年7月時点でも不登校が続いている。生徒はストレスで体調を崩すなどもしたという。

 保護者が学校に対して、教諭の行為は「体罰」ではないかと問い合わせると、校長は「体罰」に該当すると一度は認めた。しかしその後、教育委員会から弁護士に照会した際に「体罰」ではないという見解が出されたとして、校長らは「体罰」とした当初の見解を撤回したうえで、「不適切指導があった」という形で保護者側に謝罪したという。

 生徒側は3年生になった2018年4月に「4月から6月まで離席禁止や他の生徒との会話禁止などで苦痛を受けた」として提訴した。市教委は、教諭が2日間の離席禁止を指示したことは認めた上で、他の生徒と話すことは禁止していなかった・トイレに行くことまでは禁止していなかったなどとして争う姿勢を示している。

私見


 事実関係を考えると、離席禁止が「2日」だろうが「不登校に追い込まれるまでの2ヶ月」だろうが、こういう指示をするということ自体が人権侵害であり、「体罰」にも相当するのではないか。教師による生徒いじめまがいの行為だと厳しく非難されてもやむを得ないほどの悪質な行為である。

(参考)
◎休み時間離席禁止は「体罰」、不登校生徒が提訴(読売新聞 2018/7/26)
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