大阪府教育庁は7月27日、大阪市で計3ヶ所の幼稚園を経営する学校法人住吉清水学園に対し、府からの補助金が含まれた法人運営費の不正流用や教職員数不足が確認されたとして、同法人に対して改善命令を出した。期限は2018年8月まで。

指摘された内容



 同学校法人は大阪市内で、清水幼稚園(住吉区清水丘)、遠里小野おりおの幼稚園(住吉区遠里小野)、加賀幼稚園(住之江区中加賀屋)の3幼稚園を運営している。

 大阪府が監査をおこなったところ、理事長および副理事長(理事長の娘)が、法人運営費を私的に流用して、自宅で使用する冷蔵庫・洗濯機などの家電、自家用車、ゴルフ用品など約300万円分の購入をおこなっていたと指摘された。法人運営費には、府からの補助金も含まれている。また大阪府は、同学校法人が必要な監査体制を整備していないとも指摘している。

 また同法人関係の幼稚園では、数年前から教職員の退職が相次ぎ、必要定員数を充足していない状態になっていた。2018年度には、国と府の定員基準から5人が足りない状態になっていた。

 理事長は、報道によると、流用疑惑については「冷蔵庫を買った覚えがない」、教職員不足については「辞めていくのだから仕方がない」などと答えているという。

 事件の全容については報道の範囲でしかわからない部分はあるが、大阪府の補助金を私的流用している疑惑や、教職員不足については、極めて深刻なものとなっている。事実ならば早期の改善・是正が求められている。

(参考)
◎幼稚園教員不足で住吉清水学園に措置命令 大阪府教育庁(産経新聞 2018/7/28)
◎大阪府 幼稚園運営法人に改善命令(MBSニュース 2018/7/28)
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