栃木県宇都宮市立中学校でバレーボール部の顧問を務める男性教諭(52)が、部員の顔を平手打ちするなどの「体罰」・暴力行為を繰り返していたことが、8月10日までにわかった。

 宇都宮市教育委員会が同日付で発表した。

事件概要



 宇都宮市教委によると、当該教諭は2017年~18年にかけて、少なくとも計13回にわたり、部員のすねを蹴ったり平手打ちをするなどの暴力行為をおこなっていたという。被害に遭った部員は6人にのぼる。

 教諭は暴力行為の理由について、「練習試合のプレーが弱気だった。試合の流れを変えたかった」などと釈明したという。

感情的な暴力行為にすぎない



 運動部の指導者による暴力事件では、「プレーや練習の内容が不満」として「気合いを入れる」「指導する」などと称して事件に及ぶことも目立つ。

 しかし暴力で生徒の技術力が向上するなど科学的にあるはずもない。単に指導者の感情をぶつけた上、指導者に服従するように仕向けるような人権侵害である。このような指導を許してはいけない。

 しかも当該教諭は、過去にも「体罰」・暴力行為での処分を繰り返し受けた前歴があるという。2005年には当時担任していたクラスで生徒指導と称して生徒を平手打ちして文書訓告、2012年には当時勤務していた別の中学校のバレーボール部で「体罰」・暴力行為があったとして減給処分を、それぞれ受けている。

 度重なる処分を受けた前歴があっても、さらに「体罰」・暴力事件を起こしていることになる。処分には何の抑止効果も矯正効果もなかったということにもなる。暴力教師が繰り返し暴力を振るって問題になることについても、きちんと分析し、再発防止を図る必要がある。

(参考)
◎52歳バレー部顧問、部員を靴で殴打(産経新聞 2018/6/10)
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