滋賀県大津市立南郷中学校で2018年7月、ソフトテニス部顧問教諭(31)が部員の生徒に罰として「校舎80周」を命じて熱中症にさせた問題で、大津市教育委員会は8月24日の教育委員協議会で、教諭の行為を「体罰」と認定し、滋賀県教委に報告をおこなった。

熱中症事案



 熱中症事故は7月12日に発生した。教諭は2年男子部員の生徒に「サーブミスが多かった」として罰としてランニングするよう命じた。生徒が「4周走る」と申告すると教諭は「アカン、20倍や」と発言し、80周走るように命じた。生徒は走り出したが、途中で倒れた。教諭は生徒から目を離していて、校舎工事のために出入りしていた業者に発見され、救急搬送された。

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 大津市教委は教諭の行為について、技術指導ではなく「精神的弱さを鍛える」としてランニングを命じたことや、事故当日の気象は熱中症を発症する危険が高かったことなどを踏まえ、「体罰」だとしたうえで、安全配慮義務違反とも指摘した。

 事故の調査の中で、この教諭は2017年10月、当時担任していたクラスで、「学校行事にはちまきの持参が必要・忘れ物をなくす」として生徒の腕にマジックで「はちまき」と書き込む不適切行為があったことも発覚した。

別の教諭の「体罰」も発覚



 また別の男性教諭(28)も2018年6月、担任クラスで1年の男子生徒に対し、清掃指導の際に声を荒げたり机を蹴って威嚇し、胸ぐらをつかむなどの行為があったことも発覚した。生徒にケガはなかった。

教諭は自宅待機に



 大津市教育委員会は2教諭について、滋賀県教委の処分が出るまでの間自宅待機させることを決めた。2教諭はいずれも2018年度には1年の学級担任を務めているが、新学期からは担任を交代するとしている。

 2教諭の行為はいずれも、「体罰」に相当する行為であり、悪質な暴力行為でもある。決して許されることではない。

 とりわけソフトテニス部顧問教諭については、一歩間違えれば生命にも関わる状態に生徒を晒したものでもあり、とんでもないことである。こういう行為を「指導」と称してまかり通らせてはいけない。
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