朝日新聞2018年8月28日付社説『(社説)大阪市長 学力調査を乱用するな』。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13653441.html

http://archive.li/Aufm0

 吉村洋文大阪市長が2018年8月、全国学力テストの成績を市立学校教職員への勤務評価や学校予算配分の増減に使うなどと表明した問題。この問題について批判している。

 社説の内容は、これまでの学力テストの流れを踏まえての状況を、わかりやすく解説している形になっている。

勤務評定や点数競争と結びつけると不正の温床に



 社説で指摘されている内容は、抽象的な懸念ではない。実際に過去に発生した事例によって知られていることである。

http://kyoukublog.wp.xdomain.jp/post-17782/

 1960年代の全国学力調査では、教職員との勤務評定とリンクした結果、テストの点数を上げるための不正が横行したり、通常の授業をつぶしてテストの過去問演習に時間をかける事例も報告された。そのために一度廃止された経緯がある。

 そして2007年に現行方式での全国学力テストが導入されたものの、テストの成績を上げるための不正や不適切行為は、全国各地でしばしば報告されている。

 特定の教師個人や学校の暴走ではなく、システム的に追い立てられてこのような不正につながるということは、各方面から多数指摘されている。

 学力テストが点数競争や勤務評定と結びつけられると不正につながるのは、過去に問題になった事例が多数あり、いわば「常識」レベルである。吉村市長は教育や歴史に無知なのかもしれないが、多くの専門家の指摘すら無視して導入しようとするなど、愚の骨頂だと言わざるをえない。