外国で育ったり外国から来日したなどの事情で日本語が十分にできず、日本語教育が必要だとされている高校生について、高校生全体と比較して進路状況に大きな差があることが、文部科学省の調査でわかった。

 公立高校を対象にした調査によると、高校中退率は全体で1.27%だが、日本語教育が必要な生徒では9.61%となっている。

 卒業後の進学率についても、全体では71.24%が進学しているが、日本語教育が必要な生徒については42.19%となっている。卒業後就職する場合についても、日本語教育が必要な生徒については、全体平均の約9倍の割合で非正規となっている。

 進学も就職もしていない生徒については、全体では6.5%、日本語教育が必要な生徒では18.18%となった。

 いずれも、日本語教育が必要な生徒は、他の生徒と比べて圧倒的に不利な状況に置かれていることが、調査結果から読み取れることになる。

 言語によってハンデが生じ、進路状況にも影響が出るのは好ましくない。近年は外国人労働者の増加などに伴い、来日児童・生徒が増加し、そういった児童・生徒を対象にした日本語教育もおこなわれているものの、まだ十分な体制ではない状況であることが浮き彫りになっている。とりわけ高校では、小中学校と比較して取り組みが進んでいない状況もある。

 調査結果を詳細に分析した上で、日本語教育の体制強化策を検討していくことが重要だといえる。

(参考)
◎日本語教育必要な生徒、1割弱中退 公立高平均の7倍超(朝日新聞 2018/9/30)
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