新潟県新発田市立中学校2年の男子生徒が2017年6月に自殺し、いじめがあったことが指摘されている問題で、遺族宅を訪問した教育長が生徒の父親に対して「お前」などと発言していたことがわかった。

 教育長は事実関係を認め、10月11日付で市長宛に辞職願を提出した。

問題の経過



 生徒は2017年6月に自殺した。自殺2日前には「いじめられている」と訴えていた。

 生徒の自殺を受けて設置された第三者委員会では、「自殺の原因はいじめにあったと推定される」とする報告書をまとめた。

 報告書を受けて、教育長が10月5日、報告書の内容説明と謝罪のために遺族宅を訪問した。その際に教育長は、父親に対して「保護者会に俺も行く。お前も保護者会に来るか」などと発言したという。

 教育長は元小学校教諭で、父親の小学生時代の担任だった。

 父親は「いじめ自殺への対応の場で、この発言はありえない。教育長と保護者の関係で対応してほしかった」「自殺のことを軽く見ているとも受け取れる」と不快感を示し、市教委に苦情を申し入れていた。

 教育長は発言を認め、「担任だった頃のことが頭をよぎった。あの場では不適切だった。遺族に不快な思いをさせて申し訳ない」として、辞意を表明した。

 父親は「発言をめぐる一連の経過は残念だが、教育長が交代しても、教育委員会としていじめ問題に適切に対応してほしい。第三者委員会報告書での提言を実現する方向で尽力してほしい」とするコメントを出したという。

 いじめ問題については、被害者・遺族の立場でていねいに対応していくべきである。しかし、いじめのことを軽く扱っていると受け取れるような発言になっていることは、極めて残念だと言わざるをえない。
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