2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震で建物が損壊したとして、札幌市東区の私立認可保育所「札幌厚成福祉会保育所」が休園を余儀なくされ、児童56人が転園を迫られていることが報じられている。

地震の影響



 同保育所は鉄筋コンクリート3階建ての建物の1階部分に入居している。北海道胆振東部地震では保育所部分への被害はほとんどなかったものの、建物上階の壁などが崩落する被害があった。札幌市は建物の使用は危険だと判断し、児童福祉法に基づいて運営しないよう勧告した。

 園児らは一度保育所前に集合した後、札幌市が出した送迎車で別の施設に移動して保育をおこなっている。

 園側は「建物の建て替えや補修は困難」として、10月5日になって休園と児童らの転園の方針を打ち出し、児童・保護者に対して10月20日までの転園を求めるとしていることが明らかになった。

 一方で、保護者らは「子どもがやっと慣れてきたところで転園させられることになった」「長い間探してやっと入れた保育所。再度の保活は辛い」「近隣の保育所に転園希望者が集中して、園児同士で入園競争になってしまうのではないか」などとして、転園の方針に困惑しているという。

 札幌市は園児全員の転園の方針を支持した上で、できる限りの対応をしていきたいとしている。一人の児童・保護者も取り残さないような、ていねいな対応が望まれる。

(参考)
◎地震で損壊 札幌の保育所運営中止 転園迫られ保護者困惑(北海道新聞 2018/10/10)
◎子どもたちの行き場は? 札幌東区の保育所 地震で壁にヒビ 休園へ 説明会で"突然"通告 保護者動揺(北海道文化放送 2018/10/11)
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