私立富士学苑高校(山梨県富士吉田市)の女子バスケットボール部で、監督の男性教員(63)が、部員に対して暴力や暴言を繰り返していたことがわかった。

事件の経過



 2018年11月下旬、教諭の暴力を告発する匿名での電話通報が学校にあった。学校側が事実関係を調査したところ、複数の生徒が「暴力や暴言を日常的に受けていた」と被害を訴えた。

 練習試合などでプレーミスをしたなどとして背中やすねを蹴りつける、練習時に至近距離からボールをぶつける、「死ね」「殺すぞ」「(真夏のランニングの際に)熱中症になれ」などの暴言が、少なくとも2016年以降から繰り返されていたことが確認された。

 部員らにケガはなかったとしている。

 教員にも事情を聴いたところ、「指導に行きすぎがあった」「体罰や暴言だと取られても仕方がない」などとして事実関係を認めたという。

 当該校の女子バスケットボール部は「強豪校」と呼ばれるような学校で、教員は30年以上指導に携わってきた。

 学校側は12月1日に保護者集会を開き、事実関係の説明をおこなった。席上で、当該教員を監督から解任し停職処分にしたことを明らかにした。

部活動での暴力が再び



 部活動指導におけるいわゆる「体罰」行為、特にスポーツ強豪校といわれる学校での指導者による暴力行為や人権侵害行為は、最近相次いで発覚しているという印象を受けるが、また発覚したことになる。

 地域やスポーツ種目の別を問わず、加害者となった教員・指導者の主張も、大筋では共通しているような印象も受ける。今回の事件についても、「行き過ぎた」など過去の事例と似たような主張をおこなっている。

 暴力や暴言を伴う行為を「指導」だと強弁し、問題が発覚すると「ゆきすぎただけ」かのように扱う。こういう指導は生徒の人権を著しく侵害するものであるし、競技の成績を伸ばすという科学的な裏付けも全くないものである。
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