山梨県甲府市立中学校で「体罰」案件があり、加害教諭が罰金の略式命令を受け、また被害者側が民事訴訟を起こしていたことが明らかになった。甲府市教育委員会は12月28日、一連の経緯を公表した。

事件の経過



 事件は2018年3月に発生した。甲府市立中学校の男性教諭は、放課後の自主学習中、生徒の肩をつかんで体を押すなどした。

 生徒は、教諭の暴行で「首をつかまれて揺さぶられた」「壁に頭を打ち付けられた」などと訴え、打撲や捻挫などのケガを負ったとしている。

 被害に遭った生徒は警察に被害届を出した。教諭は暴行罪で書類送検され、甲府簡易裁判所は2018年11月に罰金10万円の略式命令を出した。

 生徒側は2018年12月、治療費など約170万円の支払いを求めて甲府地裁に民事提訴した。一方で民事訴訟では、教諭は「ケガに至るような行為はしていない」と主張した。甲府市は、「体罰」は許されないとする一方で、教諭の主張を受けて争う方針を示している。

 山梨県教育委員会は、教諭への処分については「裁判の結果を踏まえて判断する」としている。

 ケガの状況には争いがあるものの、報道を見る限り、暴力行為があったことそのものは当該教師も否定していないと受け取れる形になっている。「ケガに至るようなことはしていない」、だから争うという形ではなく、誠実な対応を取っていくべきではないか。

(参考)
◎男性教諭が体罰、暴行罪で罰金10万円 甲府の中学(産経新聞 2018/12/28)
◎「体罰」で教諭に罰金の略式命令(NHKニュース 2018/12/28)
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