愛知県豊橋市立岩西小学校で2年生を担任していた男性教諭が児童に「体罰」・暴行を繰り返し、1人の女子児童を一時不登校状態にさせた問題で、豊橋市教育委員会は12月1日、市議会福祉教育委員会で事実関係の説明をおこなった。

 2017年10月の「体罰」事件後に担任を外された加害教諭は、「療養の必要がある」として医師の診断書が出され、出勤していないという。教諭への処分については愛知県教育委員会の判断になるとした上で、出勤を再開した場合は担任業務など児童の指導には立たせず、事務作業を担当させる方向だとした。

 再発防止策として、市立小中学校の全教職員を対象にした研修や、指導主事の学校訪問などを始めているとした。

 被害に遭い一時登校できなくなっていた女子児童は、11月中旬より登校を再開できるようになった。

 この事件は、2017年10月6日、「算数の問題の直し方に不備があった」として、担任教諭が女子児童の頭をつかんで黒板に打ち付けるなどしたものだという。その後の調査で、この教諭が常習的に「体罰」・暴行を繰り返していたことが発覚し、被害児童は少なくとも4人いた。また2017年4月の新学期開始直後には、この教諭の言動が威圧的で児童が怖がっているという相談があり、学校側が他の教員を見守り役につけるなどの対応をしていたことも明らかになっている。

 教諭の行為は極めて悪質なものであり、厳しく対処されなければならない。一方で、個人の資質だけのものに矮小化するのも正確ではない。学校側が被害を未然に防げなかったのか、また最初に威圧的な指導への苦情が出たときにもっと深く踏み込んで対応できなかったのかなど、検討を要する点は多い。

(参考)
◎体罰問題で豊橋市教委が市議会委員会に説明(東愛知新聞 2017/12/2)
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