大阪府教育委員会は11月17日の教育委員会会議で、大阪府立柏原東高校(柏原市)・長野北高校(河内長野市)について、2019年度から募集停止する案を決定した。

 大阪府では維新政治により、教育基本条例で「3年連続定員割れの高校は廃校を検討」などとされた。また2013年度には「2018年度をめどに、府立・大阪市立あわせて7校程度の高校を近隣校との統廃合・機能統合によって廃止する」という方針が出された。

 高校統廃合計画については過去にも数年にわたって推進されてきたものの、対象校の卒業生・保護者や、対象校の近隣地域の住民から、強い反対の声が上がってきた。

 今回の柏原東・長野北の2校閉校方針についても、教育委員会会議では、柏原市長・教育長、南河内地区中学校校長会など学校関係者から計画見直しを求める声が出たことが紹介された。また大阪府教委には、計画見直しを求める2万8219人分の署名が提出された。

 柏原市議会では2017年11月2日、柏原東高校の存続を求める意見書が、全会一致で採択されている。

しかし教育委員会は、「再編整備で学校を減らしていく計画」を理由に「避けて通れない」「生徒数減少を考えると仕方がない」などとして、全会一致で閉校計画に賛成した。

 しかし大阪府の公立高校の入試システム上、公立高校の募集定員は若干の余裕をもって設定されていることから、どこかで定員割れの学校が生じることは必然である。2009年度、リーマンショックの影響で想定していた以上に公立高校への志願者が殺到し、二次募集や定時制募集でも定員オーバーで不合格になる受験生が府内で100人以上生まれ、異例の受け入れ枠追加での定時制補欠募集を経ても受け入れ先がない受験生が生まれたという反省から、このような措置がとられているものである。

 また定員割れといっても、数名~多くても十数名程度で、学校運営に支障が出るほどではない。また中学生の数も今後「下げ止まり」傾向にあると推計されていて、統廃合を実施するほどではない。

 大阪府の高校統廃合方針には疑問を感じる。
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