大阪府教育庁は11月17日、同日開催された大阪府教育委員会会議で、大阪府立懐風館高校(羽曳野市)の女子生徒が生まれつき茶色がかった髪を黒く染めるよう教師から強要されたとして訴えた訴訟について、担当者が教育委員に説明・報告をおこなった。

 この中で、学校側が2017年度、この生徒の名前をクラス名簿に掲載していなかったことを明らかにした。

 生徒側は訴訟などで、「2年の後半から授業や行事への出席を禁止されて登校できない状態にさせられた。3年の新学期に、事前に聞いていたクラスの教室に行くと、クラス名簿に自分の名前がなく、座席もなかった」と訴えていた。大阪府教育庁がこの訴えは事実だと認めたことになる。

 大阪府教育庁は2017年11月に学校側に事実確認をおこない、学校側がこのような措置をおこなっていたことを確認した。在籍している生徒をクラス名簿に掲載しないのは許されないとして、学校側に是正を指示した。学校側は新たに生徒の名前の入った名簿や座席表を作り直したという。

 読売新聞の記事によると、学校側は「"生徒が登校していないことを、ほかの生徒から変に詮索されないよう配慮して載せなかった。登校すればすぐに元に戻すつもりだった"」と話したという。

 学校側の「変に詮索されないよう配慮」という言い分は、誰に対する配慮なのか。生まれつき茶色がかった髪を「地毛は黒なのに茶色く染めている」と勝手に決めつけて黒染めを強要したことからの、学校側の保身としての「配慮」ではないかという気がしてならない。

(参考)
◎高校が名簿に生徒名載せず…「黒染め強要」訴訟(読売新聞 2017/11/17)
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