熊本市内の熊本県立高校1年だった女子生徒が2013年8月に自殺し、背景に生徒寮での同級生からのいじめが指摘されている問題で、熊本県の第三者委員会は7月14日、生徒へのいじめを認定した上で、自殺との因果関係については判断できないとする調査結果を、蒲島郁夫熊本県知事に答申した。

 この生徒は2013年に入学し、県内の遠隔地出身だったことで生徒寮に入寮した。しかし寮の同級生から寮の当番を押しつけられるいじめを受けた。生徒はそのことに抵抗したが、逆恨みされていじめがエスカレートした。身体的特徴をからかうような暴言を受けたり、持ち物がなくなったり、LINEで悪口の書き込みがされ、また「レスキュー呼んどけよ」など脅迫の書き込みがされるなどした。

 学校側は関係生徒に指導したものの、学校側の対応に問題があったともされている。

 生徒は夏休み中、帰省中の自宅で自殺した。生徒の家族はいじめ加害者生徒や熊本県を相手取り、民事訴訟を起こし係争中である。

 熊本県教育委員会が設置した学校調査委員会は2017年2月、5件のいじめを認定した上で、自殺との因果関係は不明とする調査結果を発表した。遺族側が再調査を求め、県の第三者委員会を設置して調査していた。

 第三者委員会では、学校側が認定した5件に加えて、LINEグループの画像に生徒の画像を使用し、生徒を中傷するような侮辱的なグループ名をつけたことを、新たにいじめと認定した。

 その一方で、遺書など明確な資料が残されていないとして、いじめと自殺との因果関係は認定しなかった。

 いじめでなければ何が自殺の原因というのだろうか。

(参考)
◎<熊本・高1女子自殺>いじめと因果関係は不明…県第三者委(毎日新聞 2017/7/14)
このエントリーをはてなブックマークに追加 編集