大阪府立懐風館高校の女子生徒が、生まれつき茶色い髪の毛を黒く染めるよう教師から繰り返し迫られて頭髪や頭皮に健康被害が出たうえ、教師から「黒くなっていない」として授業や行事への参加を禁じられ不登校状態になったとして訴えている「黒染め強要訴訟」。

 NHKニュースが12月12日、訴訟について、大阪府側の準備書面での主張が明らかになったと報じた。

 大阪府は指導について「違法ではない」と主張する方針だという。

 NHK関西ウェブニュース『大阪府 黒髪指導は違法ではない』(2017年12月12日18時32分配信)によると、以下のようなことが記されている。
この中で府側は、「生徒の髪の色はもともと黒だった」と主張したうえで、「頭髪の指導は、生徒の興味関心を勉学やスポーツに向けさせ、自己実現を図るようにさせるためだ」として違法ではないという認識を示しています。
また、生徒が授業や行事への参加が認められなかったとしている点は、「別室での学習や行事参加の機会は保障しており、指導に従えば直ちに出席することはできた」などとしています。
さらに、生徒が不登校になったあと、進級したクラスの名簿に名前が記載されなかったり、机やいすが置かれなかったりしたことについては、大阪府教育庁に不適切だと指摘されて是正したものの、「不登校になっていることを目立たないようにして円滑な登校の回復を願っての措置だった」と主張しています。


 責任逃れが先にありきで、責任逃れのためにつじつまを合わせるため、後からとんでもない理屈をつけてきたとしか思えないような、ひどい内容ではないか。

 生徒の髪の毛の色が最初から黒だったということにしなければ、懐風館高校の教師の行為を擁護できないことになる。だから、生徒の髪の毛の色は元から黒だったかのように言い立てているのではないか。

 また頭髪指導について「違法ではない」とした理由も、1970年代・80年代のような管理教育の発想を感じる。

 授業や行事への参加が認められなかったという主張に対して「別室学習は保障」「指導に従えば出席できる」とか、生徒の名前や座席をクラス名簿などから抹消したことは「不登校になっていることを目立たないようにさせる」とかいう大阪府の言い分は、唖然とする。盗っ人猛々しいという言葉が似合うような典型的な事例である。

 大阪府の言い分は、無理筋なのではないか。
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